ギャンブル依存症の具体的な症状や借金平均額。回復・改善方法について紹介

ギャンブル依存とギャンブル障害について

ギャンブル依存とは?

 ギャンブル依存とは、その人の人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルを続けたいという衝動が抑えられない病態のことを言います。

 ギャンブルでの勝ちを追い求め、たいていの場合は最終的には掛け金を失ってしまいますが、その行為を隠したり、貯金をすべて使い果たしてしまいます。借金が膨らんで最悪の場合は、詐欺行為や盗みなどの違法行為に手を染めてしまうケースも。最終的には生活が破綻し、深刻な状況に陥ってしまいます。

参考リンク: 久里浜医療センター症状別の取り組み

ギャンブル依存症になりやすい人や特徴とは?

ギャンブル依存症にやりやすいのは、真面目で几帳面、負けず嫌いで他人に甘えるのが下手な人がなりやすいと言われています。

その他には幼少期のギャンブル経験や過去に大勝ちしたことがある人もなりやすいので注意が必要です。

男女比は、女性よりも男性の方がギャンブル依存症になりやすく、脳内のドーパミン分泌量の調整がうまくいかない発達障害の方、遺伝子によってギャンブル依存症のなりやすさが異なるこも研究されています。

参考: 債務整理相談 弁護士ほっとライン

賭け事を健全に楽しむ!『ギャンブル依存度セルフチェック』

ギャンブル障害とは?

ギャンブルとは「より価値のあるものを得ることを目的に、自分にとって価値あるものを危険にさらす行為」です(注1)。そしてこの行為に伴う興奮(期待感あるいは達成感)や非現実感を一人であるいは友人らと味わうことを目的とするギャンブルをレジャーギャンブルあるいは社交的ギャンブルと呼びます。勿論その場合には一定の対価を支払うことになります。ほどよく楽しむことにより、生活に豊かさが加わるわけです。多くの方はこのようなギャンブルのプラスの面を楽しみ、上手く付き合っていることと思います。

一方で、ギャンブルが習慣化するにつれ、「より強い興奮を得るため」あるいは「嫌な気分を晴らすため」に掛け金を増やすようになる方がいます。その場合、支出金額が増えるため、「もったいない」と感じることも多くなります。このような後悔が重なると、支出に対する執着が強まり、「今日の負けを速やかにギャンブルで取り戻す」という非現実的な目的に引きずられるようになります。これは「もったいない」(やめたい)と同時に「取り戻したい」(継続したい)と考える不可解な状態です。このためギャンブル戦略も場当たり的になります。そうなると歯止めがききにくくなり、支出金額が小遣いの範囲を超えます。その結果、借金や家庭内紛争などのギャンブルのマイナスの面が噴出します。このような首尾一貫しない矛盾に満ちたギャンブルを繰り返すことが「ギャンブル障害」の本質です。

ただこのような状態でも、アルコールなどの物質依存症と異なり、過半数の方は遅かれ早かれ自己の矛盾に気づきます。そして自然に他のレジャーあるいはレジャーギャンブルに移行します。しかし、一部の障害ギャンブラーは多重債務や家庭崩壊、さらには自殺企図に至ります。この場合、その方の素因あるいは背景に何らかの問題がある場合が多いようです。それゆえ自然回復困難な重症化事例の場合は医療機関等に助けを求めてください。

原因に関する7つの仮説

ギャンブル障害の原因は様々です。ここでは7つの仮説について紹介します。

1 医学的な仮説

  • (1)報酬や熱中行動に関与する脳内の神経伝達物質および神経回路網の改築等の生物学的変化(病気仮説)

2 臨床心理学的な仮説

  • (1)損失よりも勝利体験に偏った認知(損得認知仮説)
  • (2)複数の欲望の同時追求(欲望認知仮説)
  • (3)不快な感情や記憶の回避(力動仮説)

3 社会・人間関係に関する仮説

  • (1)ギャンブルに親和的な環境への長期的な暴露(環境仮説)
  • (2)自己中心的思考および他者への配慮の欠損(道徳仮説)
  • (3)ギャンブラーとして生きる定め(宿命仮説)

このように様々な仮説があり、それぞれに対処法が連動しています。順番に列挙すると薬物療法・行動療法、損得認知療法、欲望充足法、カウンセリング(個人/集団)、環境遮断・生活訓練、人格修養および(宗教的)諦念等です。ただいずれも決定的な優位性はないのが実状です。このため、単一の仮説にのみ依拠することは避けるべきです。特に「医学的な仮説」にとらわれないことが重要です。せっかくの気づきのチャンスを「病気か否か」の無益な議論でつぶしてはいけません。「精神の病気」というレッテルを貼られることへの強い抵抗は一朝一夕では消せません。いずれにしてもこのような状況や個々人の特性を考慮して各仮説とその対処法を順次試してゆくことになります。
ちなみに、私が主に勧めている治療指針は「禁欲主義」(ギャンブルという毒物をできるだけ規制する)よりも「快楽主義」(ギャンブルを含めた生活を楽しむ)に視点を置いた、「欲望充足法」です。

JRAのギャンブル等依存症対策(監修 精神科医 河本泰信先生)

参考リンク: 競馬をお楽しみいただくに際して~ギャンブル障害について~

ギャンブル依存の具体的な症状

  1. ●つねにギャンブルのことを考え、どのように投資金を手にいれるか考えてしまう。
  2. ●スリルや興奮を味わうために、投資金額を増やしてギャンブルをする
  3. ●ギャンブルをやめると、イライラしたり気持ちが落ち着かない
  4. ●ギャンブルを制限したり、やめとようと試みたが失敗した経験がある
  5. ●別の問題や無力感、不安や抑うつ気分から逃れるためにギャンブルをすることが多い
  6. ●ギャンブルで失ったお金を取り戻すためにギャンブルをしてしまう
  7. ●ギャンブルへののめり込みを家族や友人に隠すために嘘をついている
  8. ●ギャンブルによって人間関係や仕事や働く機会を危険にさらしたり、失った経験がある
  9. ●掛け金を手に入れるために詐欺行為や盗みなど違法行為をはたらいたことがある
  10. ●金銭問題から逃れるために、他人にお金や借金の相談したことがある

ギャンブル依存によって、人間関係や破産などの金銭問題、違法行為による懲役、失業、健康問題など深刻な問題に至ってしまうこともあります。

ギャンブル依存症の借金の平均額は?

国で行っているギャンブル依存症についての調査で公的相談機関に寄せられたギャンブルに関連する借金金額の平均値は約400万円で中央値は約300万円となっています。

参考リンク:「ギャンブル障害およびギャンブル関連の実態調査」報告書|久里浜医療センター

ギャンブル依存症と治療や克服法

ギャンブル依存症の治療や克服するには以下を実践することで改善が見込めます。

    • ●病気であることを認識して病院へ通院・入院する
    • ●ギャンブル以外に打ち込めることや趣味を探す
    • ●外出時は必要最低限の現金しか持ち歩かない
    • ●ギャンブル関係の友人や知人との交友を断つ
    • ●欲しい物リストを作成し、お金に対する意識を持つ
    • ●家計簿をつけるなど毎月の支出を明確化する

ギャンブル依存にお困りの方へ

ギャンブル依存症での、のめり込みは自分でコントロール不能な精神疾患の一つです。これにより日常生活に支障が生じたり、鬱病の発症や健康問題やギャンブルによる多重債務・借金などの経済的な問題、家庭内への影響や様々な問題の起因になることがあります。

自身や家族に自覚がある方は、放置していると症状が悪化します。重大な問題に発展してしまう前に向き合うことが必要です。ギャンブル依存症に対して各競技機関でも回復・治療支援の取り組みも行われていますので以下を参考に行動することで問題解決に進むことあるかと思います。

ギャンブル等依存症からの回復に向けて

ギャンブル依存症からの回復に向けては、本人・家族の視点から紹介します。

本人にとって大切なこと

自分の症状を自覚すること。「今日1日やめてみる。」「ギャンブル以外の趣味を探す」など、小さな目標を設定しながら、ギャンブル等から離れる生活を続けるようにしましょう。

専門医師の受診や競技機関の相談窓口、同じ悩みを抱える人が差さえ合う自助グループなどの利用も効果的です。

家族にとって大切なこと

家族がギャンブルをきっかけに人間関係や経済的な問題を発生してしまった時はどう対処すればいいのか。

家族のギャンブルへののめり込みなどで、すでに問題を抱えている方は、家族だけで問題を抱え込まずに家族向け自助グループへの参加などギャンブル依存症が病気であると認識して、家族の心身の健康を保つことを意識しましょう。

借金問題で同じような悩みを持つ方の意見を参考にしたり、支援機関や相談窓口の利用、本人には回復に向けた専門医師のプログラムの受診をさせましょう。

ギャンブル依存やのめり込みへの取り組み

■JRA
参考: JRAのギャンブル等依存症対策

■一般社団法人 全国モーターボート競走施行者協議会
参考: 勝舟投票券の購入にのめり込んでしまう等の不安のある方へ

■KEIRIN.JP
参考: 競輪をよりお楽しみいただくために~のめり込みに不安のある方

■参考リンク: 久里浜医療センター症状別の取り組み

■参考リンク:消費者庁 ギャンブル等依存症対策推進基本計画

■参考リンク: 御本人・御家族向け啓発用資料 [PDF:941KB]

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