2/1(木)~2/4(日)の4日間。静岡競輪場にて開催される
開設71周年記念G3たちあおい賞争奪戦
S級S班:深谷知広(静岡/96期)、眞杉匠(栃木/113期)、清水裕友(山口/105期)
総展望
いよいよ2月1日から静岡競輪場の真冬の祭典『静岡競輪開設71周年記念たちあおい賞争奪戦GIII』がやって来ます。4日間、ファンの皆様を魅了するドラマチックな競輪を期待しています。私事ですが、今年は辰年の年男なのでより全力で競輪を盛り上げて行きますのでどうぞ宜しくお願いします。そして今年の年末にはここ静岡競輪場でKERINグランプリ2024が開催されます。是非、本場にご来場いただき迫力ある生グランプリをご観戦ください。
今開催のSS班は3名が参戦予定です。まず地元静岡のエースの深谷知広選手です。静岡に移籍して2年目となる昨年は、GIII優勝2回、共同通信社杯GII優勝、そして賞金上位で6年ぶり6回目となるグランプリ出場と素晴らしい成績を残しましたが、それ以上に深谷選手の移籍後のレーススタイルによって南関勢のライン結束の士気が上がった事がより印象に残りました。前を任された時はしっかりと先行して、番手を回った時の横の牽制は今までの深谷選手には考えられないような動きを見せてくれました。そして年末のKEIRINグランプリで見せた捲りは圧巻の一言でした。6年ぶりに履くSS班の赤パンで優勝するシーンを地元ファンは強く…強く願っているはずです。
2人目は栃木の眞杉匠選手です。デビュー当時からラインの先頭で捨て身の先行策で戦ってきた事が、昨年のオールスター競輪と競輪祭の2度のGI優勝で遂に報われました。特に11月の競輪祭の単騎戦でもぎ取った優勝はインパクトがありました。他県から眞杉選手を頼って出稽古にくるほど人望もあり、これからの関東地区のエースと言っても過言ではありません。
3人目は山口の清水裕友選手です。昨年はダービーの決勝2着、地元記念6連覇の快挙を成し遂げ、わずか1年でSS班に返り咲いた事はお見事の一言です。どのステージでも誰が相手でも強気に仕掛けて行くのが清水選手の真骨頂。展開に応じて何でも出来る総合力の高さは輪界随一です。思い返せば2018年の静岡初のグランプリでは近畿4車を相手にたった一人で挑んだ強気なレースは今でも忘れません。
北日本地区では青森の坂本貴史選手の捲り一撃に期待します。位置取りの上手さと踏み出しの鋭さは父親(坂本勉さん)譲り。多少展開に左右される所もありますが、展開がはまった時の捲りはトップクラスでも通用するスピードの持ち主です。1年を通じて練習地を伊豆のCSCに拠点を置いているだけに静岡県は準地元の特別な想いがあるはずです。
関東地区は今年の後半から成長著しい小林泰正選手に注目しています。持ち味の地脚を活かしたカマシ捲りが主戦法です。以前の捲り追い込み一辺倒の戦いから、最近はもがける距離も伸びて成績アップ。昨年から同期の眞杉匠選手と練習をするようになり、脚力アップだけではなく意識改革も出来た事が好調理由だそうです。今後の目標は眞杉選手と同じステージであるKEIRINグランプリ出場だそうです。
地元南関東地区は神奈川の郡司浩平選手も加わり強力な布陣となります。昨年は平塚ダービーでの落車の不運など、4年でSS班が途切れたが4度のGIII優勝など調子は問題なし。昨年のたちあおい賞でも深谷知広選手の捲りを交わして優勝と静岡バンクとの相性も抜群です。同県の松井宏佑選手や地元の深谷選手、渡邉雄太選手と同乗した時の並びも興味津々。いずれにせよ深谷選手を中心に強力なラインを期待します。
中部地区からは三重の浅井康太選手が出場します。独自の左重心理を確立し、GI優勝3回、グランプリ2度制覇の実績があります。2020年の静岡競輪開設67周年記念で捲りを決めた優勝は記憶に新しい所です。昨年はGIII優勝3回の結果を残し、SS班と引けを取らない結果でした。抜群のレースセンスと巧みなハンドル捌きは一級品。11月の地元四日市記念の決勝戦では、脇本選手を後方に置いて先捲りを決めて優勝と、データにはない自力を兼備するだけに単騎となっても怖い存在です。
近畿地区は福井の寺崎浩平選手のダッシュ力に注目します。昨年後半に今まで所属したナショナルチームを辞め、競輪1本に専念する事を決めました。117期の早期卒業生として、デビューしてすぐにトップクラスまで上り詰めましたが、まだGIII以上の優勝が無い事が不思議に思えます。今までは競技の練習メニューや日程の関係など競輪に集中できない部分も多かったと思います。非凡な才能を持つ天才が競輪に集中して、どこまで結果を出してくれるか今後が楽しみです。
最後に九州地区の沖縄の伊藤颯馬選手の走りに期待します。脚質はダッシュ力を活かしたカマシ捲りが主戦法ですが、展開次第では横の捌きも出来る器用さも持ち合わせています。ラインの先頭を任された時は、後ろの為に誰よりも強い犠牲心を持った先行をします。まだまだムラがありますが大舞台になればなる程、力を発揮する大物選手です。今年こそは何がなんでも記念を取りたい気持ちでいると思います。
●伊藤勝也 元競輪選手
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