10/17(木)~10/20(日)の4日間、弥彦競輪場にて開催される
第33回 G1寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
RACE POINT
第33回寛仁親王牌・世界選手権トーナメント初日の最終レースは、日本競輪選手会理事長杯。出走メンバーは5月に行われた第71回全日本プロ自転車競技大会(高知)でケイリン1位の山口拳矢(岐阜)、スプリント1位の河端朋之(岡山)に、1kmタイムトライアル1位の菊池岳仁(長野)と、S級S班の上位6選手の予定だ。
佐藤慎太郎(福島)は誰もが認める名マーカー。8月のG1オールスター競輪(平塚)で決勝5着など、今年も実績を積み重ねてきた。S級S班の地位確保へ、勝負の秋だ。
別地区からの包囲網で苦戦するレースも増えた脇本雄太(福井)だが、そのスピードはやはり輪界一だ。9月の京都向日町記念を制して、いよいよエンジン全開。2015年7月以来の登場になる弥彦で、異次元の走りを披露する。
深谷知広(静岡)は第23回大会の覇者だ。神奈川勢の躍進によって求められる戦い方が増えたが、やはり持ち味は積極果敢な仕掛け。今年はG1での優出がないだけに、思い入れのある大会で気合駆けを披露する。
昨年のGP覇者、松浦悠士(広島)。今年は落車等で順調さを欠いた。賞金ランク的にもS班維持にはビッグレースでの好走が必須の状況で、この秋、反撃を期したい。
松浦の盟友、清水裕友(山口)は2月のG1全日本選抜(岐阜)決勝2着など、賞金を積み重ねてきた。勢いある若手の登場で、その恩恵を受ける立場。さらなる脚力アップで、自身の地位を確固たるものにしたい。
7月のGIIサマーナイトフェスティバル(松戸)を制した眞杉匠(栃木)。関東地区のGIでエース級の活躍が期待される。タテ攻撃を基本に、位置取りもできる強みを生かしたい。
山口は昨年同様に理事長杯からスタート。S班としては物足りない成績が続くが、弥彦向きのシャープな脚は魅力だ。 全プロのスプリントを制したように、河端の持ち味はダッシュ力。同地区の選手とどう連係するか、カギを握る。 菊池は今年も理事長杯に参戦する。実績面では引けをとるため、まずは自身の先行力をアピールしたい。
弥彦GI寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント2024のレース展望記事を公開!注目選手やデータ解説GI寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントが弥彦競輪場で10/17(木)~20(日)開催。S班9人をはじめ各地区を代表するトップ選手が白熱のバトルを繰り広げる4日間シリーズ。さらに年末のグランプリ出場権をかけたもうひとつの戦いもヒートアップ北日本
新山響平(青森)は今年のGIで3回の決勝進出。今回狙うは表彰台の中心しかない。8月末の富山記念では様々なパターンでの先行を試しており、自身のレベルアップを図っていた。
守澤太志(秋田)は8月のオールスター競輪、富山記念で決勝に進出と、高いレベルを維持している。昨年の弥彦大会では持ち味を発揮できなかっただけに、今回はリベンジした。
菅田壱道(宮城)はタテ脚の切れが増した印象で、富山記念の二次予選では後方8番手から守澤を引き連れての快速まくり披露した。勝負の秋に向けて状態は確実にアップしている。
昨年の大会では決勝3着だった渡部幸訓(福島)は、オールスターでも決勝に進出している。弥彦は得意バンクで、要注意だ。
成田和也(福島)、佐藤友和(岩手)、永澤剛(青森)も目標次第では浮上する。
南関東
郡司浩平が2月の全日本選抜競輪を制して、北井佑季が6月の高松宮記念杯を制覇と、今年は神奈川勢の勢いが他に圧倒している。
軸になるのはもちろん郡司浩平で、ラインの先頭でも番手でも存在感を示す。8月の小田原記念では南関東ライン鉄の結束から、貫禄の差し切り勝ち。いい流れで秋シーズを迎える。
大ブレークの年となった北井佑季。GI初優出となった全日本選抜で郡司の優勝に貢献して、高松宮記念杯ではお返しとばかりの郡司の先行を使って、番手まくりでタイトルをゲットした。夏場はやや調子を崩したが、小田原記念や京都向日町記念の走りから状態面の不安はなくなった。
次のタイトルホルダーはという間に、一番で名前が出てくるのは松井宏佑だろう。オールスターの決勝はレースを見過ぎた感があっただけに、今度こそチャンスを逃したくない。郡司や北井と結束できれば、表題の真ん中への道が大きく開ける。
日本選手権での決勝2着で、KEIRINグランプリ出走が夢ではなくなった岩本俊介(千葉)。好結果を出し続けて、大舞台への参加に近づきたいところ。
充実した自力型からの恩恵を受ける追込み選手は、和田健太郎(千葉)、松谷秀幸(神奈川)に注目だ。
関東
久しぶりのGI制覇が日本選手権だった平原康多(埼玉)。若手の成長もあり関東一人横綱状態からは解放されたが、まだまだ軸になる存在だ。以前は鬼門だった弥彦だが、21年の第30回大会を優勝。関東ラインをうまく誘導していく。
吉田拓矢(茨城)は勝負どころでのもうひと押しが足りないが、GIIサマナーナイトF決勝2着など、抜群の安定感を誇る。弥彦はデビューの地で、平原が優勝した30回大会では決勝6着。切れ味あるまくりを基本にして上位争いに絡む。
坂井洋(栃木)はスピードが持ち味。GIIウィナーズカップで決勝6着。日本選手権ゴールデンレーサー賞で1着など、今年もビッグレースでの好走が目立つ。
多彩な動きからの自力勝負が魅力の佐々木悠葵、小林泰正の群馬勢、新潟から唯一参加の鈴木庸之の走りにも期待したい。
中部、近畿
理事長杯に出走する山口拳矢(岐阜)とともに中部地区を引っ張るのは浅井康太(三重)。今回は近畿地区との連係を視野に入れての戦いになりそうだ。オールスターでは準決4着で決勝を逃したが、二次予選と最終日を勝利。実力は確かだ。
一方、精鋭ぞろいの近畿地区。昨年の覇者、古性優作(大阪)は初日特別選抜予選からの出走になる。今年のGI4大会すべてで決勝に進出して、同期の窓場千加頼(京都)との連係からオールスターを制覇。安定感と勝負強さは輪界一で、今回も主役の走りを見せる。
オールスター決勝2着の走りで、近畿での地位がグンと上がった窓場。積み上げてきたものが一気に開花した印象で、GI戦線でも注目の選手に成長した。
今年は好不調の波が激しい寺崎浩平(福井)。好メンバーの9月名古屋FIを完全優勝したことをプラスにしたい。昨年の大会では一次予選、二次予選を2着でクリア。積極策は怖い。
南修二、稲川翔の大阪勢や三谷将太(奈良)といった追込み陣も近畿地区は強力だ。脇本、古性の動きを追走できれば好結果が出ることは確実で、高いモチベーションで日々の練習、競走に取り組んでいる。 山田久徳(京都)、三谷竜生(奈良)は実績は十分で、調子を上げてくれば怖い。
中国、四国
3選手が理事長杯に出走の中国地区。岩津裕介(岡山)が追込み陣の中心になる。オールスターではオール連対で準決まで進出。9月の京都向日町記念えも2勝を挙げており、差し脚の切れは安定している。
桑原大志(山口)は高松宮記念杯で決勝7着、オールスターでは2着が3回と、健在ぶりをアピールした。目標があればきっちり仕事ができる選手だ。
先行力は十分ある取鳥雄吾(岡山)に警戒。展開がはまったレースでの破壊力は脅威で、大物喰いが怖い。
四国地区の注目は犬伏湧也(徳島)だ。昨年は日本選手権、オールスター、弥彦での寛仁親王杯とGIで3回の決勝進出を記録。さらなる飛躍が期待された今年は不本意な結果が続いているため、相性がいい弥彦で反撃したい。上位クラスの脚力をいかに出し切れるが、ポイントはそこだけだ。
今年もらくしゃによるケガで悩まされているが、小倉竜二(徳島)は上位クラスの脚をキープしている。中四国ラインのまとめ役として、その存在は大きい。
松本貴浩(愛媛)は7月の佐世保ミッドナイトGIIIを制した。オールスターでも自力勝負で準決まで勝ち上がっており、好調を維持している。タテ攻撃が基本になるが、若手と結束できる展開になれば有利だ。
島川将貴、太田竜馬の徳島勢や佐々木豪(愛媛)と、自力での一発がある選手も参戦してくる。
九州
九州地区にとって嘉永泰斗(熊本)の復調が待たれるとこだ。4月の川崎記念で古性優作、郡司浩平、新山響平らを撃破して優勝しており、脚力は間違いなく一線級。オールスターを欠場するなど体調面が万全ではないが、大一番へ調子を何とか合わせたい。
荒井崇博(長崎)はオールスター一次予選1,2、二次予選で3連勝を決めるなど、Gレースでの勝負強さを発揮している。九州のドン的存在で、若手の頑張りを生かしての抜け出しには警戒したい。
昨年大会は一次予選で失格だった山田庸平(佐賀)はリベンジに燃える。寛仁親王牌は決勝進出が2回ある相性がいいGIだけに、強い気持ちで戦う。切れのあるタテ脚は弥彦向きだ。
底力のある山田英明(佐賀)に井上昌己(長崎)、徹底先行で売り出し中の後藤大輝(福岡)にも注意する。
●やひこけいりん
「競輪の魅力とは?」
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